なぜ今買わないのか、正当な理由が無い見込み客への対処法

一番よく出くわす鍵レンガは、サイズ的には他と同じですが、色が目立って違います。それは、あまりにもぎらぎらと目立っているので、まるで、取手が付いていて、それをつかんで引き抜かれるのを待っているかのようです。見込み客は、「でも」とか「かも」を使いながら、それを隠すための明らかに無駄な努力をします。しかし、経験のあるクローザー(営業マン)とって、臆病猫を扱うのは簡単なことです。

「これこそ、自分に合った車かもね、デザインも色も好きだし…でも、2-3日考えることにするよ。買ってからそれほど好きじゃなくなるってこともあるからね。」

あるいは、「君が持ってきてくれた投資信託のポートフォリオは、まったくもって、魅力的だし、必要だし欲しいのだよ。でもなあ、家内とじっくり話し合ったほうが良いかもしれんなあ。結局、月々の支払いで協力してもらうことになるからね(笑)。」

こんな言葉を聞いたことはありませんか? このパターンが分かりますか? 彼こそが、臆病猫であり、注文書にサインしてもらうには、最も簡単な人です。なぜならば、彼には、サインしないことへの正当な理由が無いからです。 狙うべきレンガはそこにあり、彼が決めないことの言い訳を探しながら、引き伸ばしているのが、あまりにも明白なので、あなたは簡単にレンガを引き抜き、ペンを渡して、鎧を足元で粉々するのです。

プロの営業マンは、この客を微妙に喜ばせながら、彼の論点の風穴を見つけて、できるだけ早く、それらを示してあげることができるのです。

彼が奥さんに投資信託のポートフォリオの中身を見せるべきだと考えていたのなら、なぜそこに彼女を連れてくるようにしなかったのでしょう。もし、その色に飽きがくるだろうと考えるのであれば、他のどんな色に対しても飽きがきても、全くおかしくないじゃないですか。

彼はごまかしているのです。彼は買わない理由について堂々巡りしているのです。これこそ、あなたがクローズに入っていくチャンスなのです。

「妻に相談してみる」という言い分を取り上げてみましょう。

私の答えは、次のように進んで行きます。

「ピーターズさん、奥様も働かれていると言われていた事を考えると、奥様に相談されたいというお気持ちは良くわかります。」

「でも、奥様は、パワーニュークロンの潜在成長率や、このプランの70%がローリスク・ローリターンなファンド、20%が投機的で、10%がハイリスク・ハイリターンなもので構成されているってことを説明されても、難しくてお困りになるのではないですか?」

「私は、ピーターズさんこそが、このファンドをご自身で運用され、売り買いされる方だと信じています。あなたとお会いして、そう感じました。なので、奥様に、それを知らないということで恥ずかしい思いをさせたり、煩わしたりしないほうが、よろしいのではないでしょうか?」

「もう一つ、大事なことですが、支払い条件につきましては、奥様はもうご存じのはずですが、あなたの判断を尊重されるとは、おっしゃいませんでしたか? この支払い条件だと、同じような立場のほとんどの奥様方が、そうおっしゃいますよ。」

「そうだなあ。確かに、ファイナンスについては、私のほうが良く知っているのだから、私に決めてくれと言っていたっけ…」

「奥様は、あなたが、娘さんたちや彼女のために、きっとベストなものを手に入れてくれると思ってらっしゃるんじゃないでしょうか。」

車でも何でも良いのですが、色が違うという人の場合ですが、これも簡単です。一つ例を示します。

「ピーターズさん、レミングハウス・エレクトリックには何年お務めですか?」

「14年だよ。高校を出てからずっと、この会社で働いているよ。高校時代にアルバイトした以外はね。」

「そうですか。 結婚されて12年でしたね。吸っている煙草の銘柄を替えたことがなく、確か8台連続で同じ型の車に乗っておられる。私の聞き違いじゃなければ…」

「慎重になるということは、すばらしいことだと思います。でも、このことはご理解いただきたいのです。 人生の中で、あなたは常に正しい選択をしてこられた。奥様、煙草、車、仕事、すべてにおいてです。今回は、例外的に最初選んだのとは違う色を考え、またすぐ、もとの色に戻られました。」

「要するに、もし、今、この色が良いと思われるのなら、そう判断したことに後悔されることはないはずです。奥様が好きな色は青でしたよね。」

彼の言い分を上手くさばき、優しく、彼に投げ返してあげましょう。純粋で正直な褒め言葉を与えることで、90%以上の確率で、話がまとまるはずです。

いずれにしても、やり過ぎは禁物です。もし、彼の間違いを指摘し、言っていることは、正真正銘、心から湧き出た言い訳だなどと言おうものなら、生卵を投げつけられ、失注するでしょう。

彼の妻が、信託投資に無知であることを馬鹿にするような言い方をすると、彼は、妻がコンピューター製造工場で最終検査をやるほどの人間なのだと言うでしょう。

彼ほど偉大な知性を持っている人間が間違いを犯すはずが無いと言ってやりなさい。そうすれば、彼が、アストロドームの駐車場の40エーカーの土地を買う契約をしたときの頭金をの話をするでしょう。

言い訳という鍵レンガを見つけましょう。もし、そのケースが、ただの臆病猫だと判断したなら、即座にそのレンガを取り除き、契約をクローズしましょう。

慣れによって、このタイプを見分けられるようになります。彼は、クロージングの直前までは、調子が良いのです。すべてに同意しています。

しかし、「それでは、私どものオフィスに来ていただけますか?」とか「ここにサインしてください。」などと言った瞬間に、なぜ買わないのか、その理由を探し始めるのです。

それまで、売り込みに注意が向いていたのが、突然、直ぐに使える言い訳を見つけないと、とんでもないことになってしまうと実感するのです。 この時、彼は最初に思いついた言い訳を投げつけてくれます。あなたは、それが正にそれだと見抜くのです。

それは、買わない、あるいは、前に進まないことへの真の理由ではなく、本当はサインしたいことを知っていながら、サインしないでおくための、臆病猫の必死の努力なのです。

<マイクから一言>

アメリカ人の会話を日本語に訳しているので、ちょっと茶番のようですが、言っていることの本質は重要です。 あなたが、トップ営業マンであれば、このタイプの人たちが、たまにいるということを知っていて、このタイプに出くわしたとたんにクロージングに持ち込もうとするでしょう。あるいは、あなたの過去の逸注をふりかえったときに、このタイプに対する、クロージングの仕掛けのタイミングや押し加減、表現方法が間違っていたかもしれない事例があったのではと思った人もいるでしょう。いずれにしても、このタイプ逃しているようでは、トップ営業マンになることは、厳しいと思います。このタイプを見極め、必ず、決めてください!!!

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