トップ営業マンはプロのストーリーテラー(実話の語りべ)である
<広告だけでものが売れるわけではない>
テレビのコマーシャルでビキニ姿の美人のモデルがズーマーエイト(車種名)に肘をかけて、マニキュアを塗った指でフェンダーをやさしく撫でているのを見かけることがあるでしょうが、それが車を売ってくれるわけではありません。
二つの車が衝突すると、ある保険会社の人が現れて、片方のドライバーの事故処理を即座に行い、別の保険会社の保険に入っているドライバーは、何ヶ月も保険金が支払われずに悩まされるというコマーシャルがありますが、これも保険を売ってくれるわけではありません。あわよくばその広告を見た人に保険の必要性を実感して欲しい、あるいは過去のサービスの悪さなどが理由で保険会社を替えたいと思って欲しいと願望しながら、企業への興味を喚起しているだけで、実際に注文を取ってくれるわけではありません。
自動車メーカーの担当者は広告が興味を喚起し、それを見た人に買いたい気持ちを引き起こすのだと言うでしょうが、それが注文を取ってくれるわけではありません。
これは不思議なことではありません。もし広告が注文を取ってくれるのであれば、苦心して作り上げたショールームや綿密にプランされたクロージング・ルームなどを持つ代理店など必要がないということになります。代理店には受付嬢がいて、サービスのガレージさえあれば、後はプロスペクト(見込み客)が選んだ車を納車するだけで良いということになります。
代理店から要らなくなるものは、他にもたくさんあります。その中には、あなた、つまり、営業マンも要らなくなります。もし、広告が注文を取ってくれるのであれば、代理店はあなたを必要としません。
実際のところ、広告は営業マンを省くのではなく、営業マンに対するニーズを創造しているのです。広告を見た人が保険契約の購買や保険会社の変更への興味がわいたら、営業マンのところにプロスペクトとしてやってきます。
<実話を語ってクロージングする極意>
同様に、営業マンがプロスペクト(見込み客)を得たとしても、注文が取れるとは限りません。ここで営業テクニックの出番となります。この時が、インセンティブやコミッションをゲットできるかどうかの分岐点なのです。彼より用意周到で鋭いかもしれない競合相手との闘いの始まりです。
あなたはどのように、今の仕事、結婚相手、昇格など、どうしても欲しいものを手に入れましたか。あなたはストーリーを語りませんでしたか。上司に対して、妻に対して、自分をこそ最適であることを証明するための実話を、この場合、自分自身を買ってもらうために語ったのです。
馬主が次に馬房に入れるべき馬を選ぶ前にクレーミング・レース(馬に値段をつける前に行われるレース)を観るのはなぜでしょう。プロのフットボールチームが敵チームの試合の録画を見るのはなぜでしょう。なぜプロスペクトであるバイヤーはあなたから商品を買うかどうかを決める前に、あなたが主張していることが本当であることの証拠を欲しがるのでしょうか。
すべてに共通の答えがあります。馬主は馬を買う前にその馬について(馬のメリットについて)知っておかなければならない、フットボールチームは敵チームにどう対抗するかを知っておかなければならない、バイヤーはあなたの商品が最適であることを知っておかなければならないということです。
プロスペクトに対して、自分が売っている商品が最高だと伝えるだけで済む場合もあります。何でも信じてくれる、信じやすい人もいます。あなたの見かけや商品の色、保険料の安さ、保険会社の知名度、売り家の中の暖炉や好みにぴったりのバーベキュー台などに魅力を感じている場合もあります。ただ、そういう場合があるというだけです。
プロスペクトは、次のようなことを、よく言います。「今すぐ必要ではないが、話だけなら聞いてもいい。」頻繁に耳にする言葉です。
他にも有ります。「良いものには違いないし、値段も手ごろだけど、もうしばらく考えさせてくれ。」これもよく聞きますね。
恐れによって、先延ばし戦術を使われて、どれほどの数のプロスペクトに立ち去られて、挙句の果てにこんなことを言われましたか。「君のところから出た後、直ぐに他から買ってしまったよ...」あなたに必要なのは、「みんなのために1ドルを」という募金の標語ではなく、「みんなのために売りましょう」という標語です。
このタイプの人をクロージングすることが、如何に大変なことかは百も承知です。こういう人たちに対しては、セールステクニックが必要です。あなたのもう一段の努力で、トップ営業マンしかできない速攻クロージングを実現させるための特上の決め手が必要となってきます。
彼らは、もう行かなければならない人たちであり、自分が立ち去るべきであると信じていて、思い切って飛び込むことができない人たちです。この人たちのために、あなたの商品を買えば、どんな良いことがあるのかがわかる実話を用意します。彼らは自分が聞きたい実話を欲しがります。彼らは誰かが何かを教えてくれえるのを待っています。双方にとって大変重要な決断を下すためのヘルプを求めている人たちです。
それでは営業マンであるあなたは、何をすれば良いのでしょうか。彼の興味の対象をすばやく捉え、テレビ広告の内容を、あなたから直接聞ける話として、パーソナルなレベルにもっていきます。テレビ広告がほのめかしているだけのことを、より正確に詳細に伝えます。広告が言いたかったのは、これだったのだと彼が認識できる何かを伝えます。彼のご近所の人があなたの製品を使ってみてどうだったとか、同じ地域にある会社はあなたの会社のトラックを採用している話だとか、同じ町内の誰かがあなたと契約した保険商品に非常に満足しているなどの話です。彼が広告で見た魅力と現実にあるものが同一だと認識する(Identifyする)のを助けなさい。彼があなたの商品に何を求めているかを彼自身がその場で瞬時に理解させなさい。
彼に実話を語りなさい。トップ営業マンへの道が開けます。
買うか買わないかの決断に直面した時、人は孤独になります。恐れ、傷つきやすく、自分の優柔不断にひどく苦しみます。その時あなたが現れて、過去に同じ決断を下すことになった人たちの似たような話、正しい決断を下すためにその人が何をしたかなどの話をして、彼を助けるのです。
自覚しているかどうかは別として、プロスペクトはあなたに感謝します。彼はその人がどのように決断したのかについての実話を歓迎します。それが正しい決断であったことの証明を歓迎します。
その実話は、その時の状況に当てはまなければなりません。それは感情を煽るような話や、他の人たちが自分の商品をどのように使っているのかの事例をもとにした、商品メリットについての簡単な話、あるいは商品をデモンストレーションという形で試す場合もあります。
<ショック療法>
ある日の夕方、カールが電話で帰る前に少し飲みながら話せないかと言ってきました。ちょっと問題のあるプロスペクトを抱えているので相談に乗ってほしいと言うのです。私はその日の間に町の酒場で彼とその人に会うことを承諾しました。カールには彼の前で保険商品を売り込むような事は一切しないように言っておきました。カールは、そのプロスペクトの情報を二つ折りの紙に完璧にまとめていました。その人は事業家で、8万7000ドル(現在の価値で約9000万円)保険料の契約と、今後数年間、毎年ほぼ同額の契約についても検討していました。カールには、指定した場所に行き、私がただ偶然のごとく通りかかるのを待つように言っておきました。私は、そこを通りがかり、テーブルに招かれ、会話をリードさせ、彼の出番の合図を出すことになっていました。
私には保険商品のセールスの経験がありませんでした。自分自身が入っている保険は、沢山ありましたし、そのメリットを信じていました。私には保険営業をしている友人が多くいましたが、私自身にはその経験がなかったのです。しかし、保険商品のプロスペクトも、他のものの購買を検討しているすべての人たちも、何も違わないという確信もありました。適切なストーリーを適切なタイミングで語り、彼のニーズと要望に耳を傾けながら、強調すべきところを強調すれば彼は買うのです。
その店に入るとカールとそのプロスペクトが酒を飲みながら静かにしゃべっていました。行く途中、私は作戦を練っていました。カールにその場で契約を決めて欲しかったからです。
彼は、下準備を十分に行い、良いプランを作っていました。そのプロスペクトは若い既婚者で、妻と二人の子供がいました。彼は大規模で活気のある建設会社の重役で、彼の将来も明るそうに見えました。
彼はカールの代理店の本社が送った質問状に対して、追加での保険契約に興味ありと答えていました。
彼には興味とニーズ、そして購買力もありました。しかし、カールはどうしてもクロージングできませんでした。そのプロスペクトは競合店からのオファーと比較しながら、どちらにも決められずにいました。競合先からのオファーも、間違いなく魅力的なものでした。
私が通りかかったとき、カールが私の腕をつかみました。
「やあ、レス。どうしてたんだ。ご家族は元気かい。」
少しおしゃべりをした後、カールは彼の友人(私)をプロスペクトに紹介しました。
「レス、こっちに来て、いっしょに飲まないかい。我々も飲んでいたところだ。さあ、椅子をもってきて、ここにすわれよ。」
「大事な話をしているんじゃないのか?」
「大丈夫、大丈夫。こちらにどうぞ。」
その時プロスペクトが、私のために椅子を引き寄せてくれました。私には、彼が何を考えているかよくわかりました。
『この友人がここに座っていれば、保険の話をするはずがないから、これ以上ここで保険の話を聞かされなくてすむぞ。この営業マンを不愉快にさせずに、後2-3日してから、ゆっくり決めることができる。』
<優柔不断>
その前日、カールと私の共通の友人が突然死去していたことを彼から聞いていました。幸運にもその人は何千マイルも離れたところに住んでいたので、このプロスペクト、トムと言いますが、彼は、その友人が高額の生命保険に入っていたことは知らないはずでした。
「カール、最近エディーが心臓麻痺で亡くなったことは聞いているよね。まったくひどい話だ。いい奴だったのになあ。でも、自分の身にいつ同じことが起きるかなんて絶対分からん。どう思う、トム。」
「その通りだ。わかるはずがないね。」トムは答えました。
「カール、君は確かあいつに保険に入ってもらったと言っていたね。十分に入っていたのかい。それとも俺みたいに、君から何度もプッシュされてばかりいたのかい。小さい子供が二人いたよな。」
カールは私からの合図を完璧に理解しました。トムを見ると、下向きの視線で飲み物のグラスをじっと見ていました。「いや、彼の家族は、落胆している。もっと勧めてやるべきだった...もっともっと...」
「おい、カール、君の作ってくれた保険プランだけど。とりあえず、今500ドルの小切手を切るから、すぐに有効にしてくれないか。」
「おいおい、トム。俺は何も君を怖がらせようとしたわけじゃ...」私は彼がカールのプロスペクトであったことを全く知らなかったふりをして言いました。
「何も根にもっていないよ。こうなって良かった。さあ、もう一杯やろうじゃないか。」彼がチェックにサインをしながら、「ここは僕がもつよ。」と言ったときには、優柔不断は消え去っていました。
タイミングは合っていて、ストーリーも道理にかなっていました。カールのプロスペクトが、それをIdentify(同一だと認識)してしまい、それが自分であったかもしれないと思わせるようなケースでした。プロスペクトが同一視した数分以内に、何週間も手が届かなかったクロージングが実現しました。
<もう一つの事例>
その女性は年配の未亡人でした。私は大きな自動車代理店の営業の管理職でしたが、新人の営業マンがクロージングの段階で立ち往生していました。
その女性は走行距離10万キロを超える古い車を持っていましたが、それはまるで新車のようにきれいで、性能の衰えもありませんでした。彼女は、今まで通り走ってくれる限り、3000ドルで自分の車を下取りに出すことに抵抗を感じていました。彼女は、近所の人に恰好をつけることにも興味がなかったので、自分の車が新車でも古くても、どちらでもいいことでした。
今の車に乗り続けるという考えを一向に変えようとしない彼女に手を焼いていると、アルが私に相談してきたとき、私は「冷水作戦」を使うことにしました。
彼女をオフィスに連れてきて、ドアを閉め、椅子に坐らせて、私に任せるように言いました。
アルには、彼女が帰る前に上司が会いたがっていること以外、何も言わないように申し伝えました。二人が部屋に入ってきたとき、私はニューヨークタイムスを読みながら、机のそばに立っていました。
彼女を紹介され、椅子にすわってもらいました。私は、深刻な顔をして、雑誌を見ながら、机の後ろをゆっくり歩きました。
私は、その新聞を机の上に放り投げて言いました。「いったいこの国はどうなっているんでしょうね。ニューヨークタイムスを読んでいたのですが、強盗があったみたいです。高速道路で、年寄りの男性が襲われて、生死にかかわる重症を負ったようです。まったく、分からないですよ。自分に何が起きるか...」
「殺してしまったの。」と彼女は私の言葉をさえぎって入ってきました。
「いえ、幸運にも死には至らなかったようです。どうも被害者の車が故障して止まっているところを助けに来たように見せかけて近づいたようです。そうでなかったと気が付いた時には遅かったようです。チンピラたちを信じたご老人が気の毒です。」
「さて、お客様のお買い物の話しをさせてください、カーターさん。アルが言っておりましたよ。たいへん良い車をお選びになって、値段にも満足頂いている。お金の準備もされている。それでもご購入いただけないのは、どうしてですか。」
「ご承知のように、私どもの仕事は会社の商品を売るだけでなく、お客様に力の限りのアフターケアーやアドバイスをすることです。」
「私が部下たちに、特にお客様なケース、つまりお一人で生活なさっているような場合は特に、出来る限りのサポートを差し上げるように申し付けております。確か、今の車は10万キロを超えて...」
「そこのあなた!」と彼女は遮って言いました。「3時までに新しい車を用意してちょうだい。若い不良どもに襲われてたまるものですか。3時にもどってくるから、その時までに故障しない新車を用意するのよ。わかったわね。」
そう言って彼女は立ち去り、アルは失いかけていた注文をもらいました。彼は、古い車をしばらく乗り続けようとしたプロスペクトの考えが、実話によって一変するのを目の当たりにしたのです。
上の二つの事例は極端ですが、どちらもそれらを必要とする状況がありました。「冷水作戦」とか「ショック療法」と呼ばれる、極端なクロージング手法です。
二つ目の事例は、古いぼろぼろの車に乘っていたお年寄りの男性に関する新聞ネタが実話として使われました。彼が暴力を振るわれ、身ぐるみ剥がされたことを彼女に伝えたのです。
冷水があまりにも冷たく、恐怖感を与えすぎると運転すること自体を辞めてしまうこともありえたので、その事件が彼女の住んでいる町を通っている高速道路上、つまり、彼女が座っていた地点からすぐ近くで起きたことは言いませんでした。
その替わりに、その事件が何千キロも離れているニューヨークで起きたと思わせるようにしました。その記事はニューヨークタイムに出ていたのですから。
このケースに使われた話は、1つ目の実例よりも刺激が少しマイルドでした。彼女のことを考えて事実より、ソフトな内容で、ショックを和らげながら語られました。それが、クロージングへの効果が損なうことはありませんでした。
彼女が一人暮らしで、頼れる人がいない状況をついた、私のコメントも功を奏しました。私たちが、車を売ることだけではなく、彼女の安全についても気にかけていることを示したことです。将来、ちゃんと面倒を見てくれると思ってくれました。
彼女は、事あるごとにアルを頼るようになりました。それから、2か月も経たないうちに、アルは彼女の家族や友人に、新車を3台、ニューモデルの中古車を1台買ってもらうことができました。
<マイクから一言>
トップ営業マンは、嘘をつきません。法律も会社のルールも守ります。礼儀も心得ています。でも、みんな小悪魔です。小悪魔的なところがないと、なかなかトッププラスの営業マンにはなれません。売りまくるために、見込み客の感情を揺らすわざを持っています。不安や欲望をかりたてて、彼の商品を欲しくなるようにしむけるテクニックです。その時、利用するのが、偶然性と間接的表現です。人間は、偶然得た情報に、より感情をゆらすのです。直接的な表現ではなく、間接的表現に、より信憑性を感じます。トップ営業マンは、他の人の協力が無くても、話の流れで、たまたま言わざるを得なかった様子で効果的な言葉を吐いて、プロスペクトの感情を揺らすことができます。
感情を揺らされて、不安になったプロスペクトは、今、買っておかないと大損したり、品切れで買えなくなったり、同じ値段で買えなかったり、時間切れになったり、健康が損なわれたり、チャンスに乗り遅れたり、流行に乗り遅れたりするのではないかと考えます。
感情をゆらされて、欲望をかりたてられたプロスペクトは、それを今買えば、ものすごく、儲かったり、もてたり、美しくなったり、頭が良くなったり、他にはない悦楽を得たり、信じられないほどの幸福感につつまれたり、金持ちになったり、時間を有効に使えるようになったり、出世する力がついたりするのかもしれないと考えます。
誰が見ても美しいとは言えないのに、モテまくっている小悪魔的女性は、次のような言葉で男の感情を揺らすでしょう。「私が男と別れる原因は、いつも同じ。ペースが合わないの。
休みの日に、家でリラックスしている時に、しつこく会いたいって電話があると、もうダメ。続かない。どうして男って、みんなそうなっちゃうの?」
彼女は、直接的に、「私は、魅力的な女で、男にモテます。」とは言いません。上記のように、間接的表現を使います。しかも、話の流れで、偶然、その話をせざるを得なかったようなふりをします。彼女は、メールの返信をわざと遅くして、相手をやきもきさせるのも得意です。他にも男がいるのではないかとか、もう愛してくれてないのではないかという不安を与えるのも得意です。そんな彼女には、トップ営業マンになる素質があると言えます。
もう一度言います。現実の営業活動の中で、不安を煽るテクニックを使ってクロージングする時に、3つの制約があることを忘れないでください。法律を守ること、会社のルールを守ること、クロージングの前も後も客からの信頼を失わないこと(嘘をつかないこと、事実なのに嘘だと誤解されないこと)です。プロスペクトの恐怖心を刺激することはクロージングの引きがねになります。このテクニックを正しく使えば、売り上げは伸びます。但し、上の制約を守らなければなりません。
法律と会社のルールを守るのは簡単です。守ればいいだけです。この手法を使う時、3つめの客の信頼を失わないということが一番難しく、重要であることを忘れないでください。レスの事例で、少しでもしくじって会話が不自然になれば、これは計画的に脅かそうとしてやっているとプロスペクトに感づかれてしまい、信頼を失うことになります。
比較的安全な方法として、写真や統計データやグラフ、専門家の言葉が出ている記事などを使うことも、凄い武器になります。あなたが売っている製品やサービスがあれば、恐ろしいことが起きても守ってくれるのだということを証明するような写真や統計です。
例えば、車の場合だと、事故の写真です。あなたが売っている車と同型の車がぐしゃぐしゃになっている写真です。写真とともに、運転していた人はかすり傷ですんだことを証明するような雑誌や新聞の記事を見せるのです。
サプリの場合だと、血圧やコレステロールを下げる働きをすることを証明しているデータとともに、血圧やコレステロール値が高いまま放置したら、どんなに恐ろしいことになるかがわかる写真や統計などの証拠を見せるなどです。
他にも、サプリを飲む前と後の写真を見せて、醜くお腹が出ている写真と、サプリのおかげで腹筋が割れたすらっとしたお腹になった姿を比較して見せるのも、恐怖や欲望を刺激しています。ネット販売でよく見られる写真ですが、ネットの場合は、10000人がその広告見て、そのうち8000人から信頼を失っても、50人から買ってもらえれば、それで良いという考え方が通用する世界であることを忘れないでください。対人のセールスでは、より慎重になるべきです。
最初から最後まで、そんな写真やデータを見せられれば、プロスペクトは怪しみます。商品メリットや前向きな話を十分にやり尽してからにすべきでしょう。タイミングが大事です。プロスペクトが安全などについて質問してきたとき、「分かりやすい資料があったかもしれません。」などと偶然に出さざるを得なかったようなふりをして、カバンや引き出しから出すのも1つの手です。
恐怖心や不安を利用したテクニックは、まだまだあります。今すぐ買わなければ、来月には値段が1割高くなるとか、もうすぐ生産中止になり2度と手にそれが入らなくかもしれないとか、今度の日銀総裁の会見では期待はずれの話しかできないだろうから、為替が円高に振れるまえに、この投資商品について前に手を打っておきましょうとか、この水素注入装置を導入するか、補修工事をしておかないと原子炉内のシュラウド(燃料周りの構造物)に見つかっている応力腐食割れ(亀裂)が伸展し、次の定検までに震度6強の地震が来たときの破断の可能性を完全に打ち消すことができなくなるとか(これは電力会社に対して、私が実際に使ったトークです。)、すべて恐怖心を煽っているセールストークです。大事なのは、恐怖心や不安感を煽りながらも、信頼を失わないということです。

